ディスコ サーカス
土曜日、仕事が終わるとまっすぐ家に帰り、一週間の汚れを落とすかのように念入りに且つ素早く風呂に入る。
真っ白なヘインズに買ったばかりの真っ赤なペイズリー柄の開襟シャツを着て、ジャストフィットなリーバイスの501、首にはイミテーションの太いゴールドのチェーンネックレス、足元はアディダスのスーパースターのど定番。髪型はトップフラットにするか迷走中で結局、お気に入りのカンゴールのバゲットキャップにする。
石川町の駅を降り、大通りを出ると反対側にお目当てのディスコがある。鈍いベースの音が聞こえる。入り口付近にたむろする入場を拒否されたまだ幼さが残るイキがったガキ共を横目に、無骨な黒服の男に顎で促されながら階段を降りていく。
轟音のビートに呑まれながらカラダが自然と踊り出す。常連の仲間もそのうち来るだろう。とりあえずラム&コークを立て続けに2杯飲む。鼻をくすぐる甘くスパイシーで強烈な香りが充満している。
揺れる通勤電車で、ふと懐かしい香水の香りに記憶が引き戻される。もうずいぶんと昔のことなのに、やけに鮮明に…
「すごいニオイ」#ジェットウォッシャー「ドルツ」