雨上がりの極細ポッキー
巨大なUFOを見てから、彼が頭の中に話しかけてくるようになった。名前はアリーバ。雨を降らせる鉛色の雲の中から今日も話しかけてきた。
アリーバ「君が落とした小さな茶色い玉を預かっております。とてもいい匂いがするです。」
俺「なんだそれ?」
アリーバ「仲間はみんなあなたが口の中に…茶色くて艶があって真ん中にまっすぐな筋があって直径8ミリ程の…」
俺「!?それ麦チョコじゃね?」
アリーバ「その粒の香りを嗅ぐととても幸せを感じるんです。きっと大切なものなのかと預かっておいたのです。あまりに素敵な香りなので黙ってアリーバの物にしてしまいたいと思っていたことを謝りたいのです」
俺「あげるよ」
アリーバ「ありがとう!大切にしますね!何かお礼をしたいのですが」
俺「ちょっと雨が続いててそろそろ晴れにしてくれない?」
アリーバ「わかりました」
空の雲が丸く消えて真っ青な青空が広がっていく。
すごいな、アリーバ
カバンの中に、11月11日になんとなく買った食べかけのポッキー極細があったのを思い出した。
俺「アリーバ、これあげるよ」
雨上がりのキラキラ光るオレンジの郵便ポストの上に食べかけの極細ポッキーを置いた。
傘、じゃまになっちゃったよ
「すごいニオイ」#ジェットウォッシャー「ドルツ」