ふたりでひとつ
今週のお題「私の好きなアイス」
彼女は帰って来て早々御機嫌斜めのご様子。仕事先で嫌なことでもあったのだろう、カバンをソファーに放り投げ化粧を落としに洗面所に行った。ドアをバタンといつもより荒っぽくしめる。
ここのところ残業続きで僕より帰りが遅い日が多い。僕は料理が出来ないからコンビニの弁当で済ませた。
そのまま風呂に入ったようだ。
僕は風呂上がりにビールをよく飲むが、彼女はよくアイスを食べる。
洗面所からドライヤーの音がする。
そろそろ出てくる頃を見計らって、さっきコンビニで買っておいたアイスを冷凍庫から取り出した。
風呂を終えた彼女がソファーに座って僕に聞く。後ろ向きで表情が見えない。
「もうアイス無いよね」
彼女の頬っぺたにパピコをあてる。
キャッと声を上げた彼女の表情が一気に明るくなる。
「僕も食べていい?」
「もちろん!」