昼休み
大天使ミカエルは今日も忙しそうだ。
周りに取り巻く無数の天使達に采配を振るっている。そんな中でも俺を見つけると「いつでも願い事言ってくださいね」とギラギラなのに優しく微笑みかけてくれる。
近頃はお金の願い事が多いそうだ。お金が現物化するのに時間がかかるので願いが叶うのは願った人がこの世を去った後になってしまうらしい。
ミカエルは、会いたいと思っていた人と人を偶然を装って出会わせるのが大好きだと言っている。愛が溢れるお金では買えない瞬間だ。
「今日はね、いつもお世話になってるミカエルに俺のゴンザレス(潜在意識?)を紹介しに来たんだ」
ミカエルは一瞬何を言ってるのかわからないようなキョトンとした顔をした後、「あら、照れ屋さん」と男とも女とも付かない不思議な声色で言い、「怪我してる、治す?」と俺に尋ねてきた。「じゃ、お願い!」「オッケー!」みたいなやりとりをした。
ミカエルは眉間に人差し指と中指を当てて、あら、地球の時間がまた早くなって来たねみたいな事をぶつぶつ言いながら答えた。
「4日後に叶うでしょう」
ヤバい、昼休みもう終わりじゃん。
ミカエルの言う通り、最近、時間が経つのが本当に早く感じる。