突破口
今週のお題「運動不足」
問題は山盛り。眠れない。
萎える気持ちに喝を入れようと、ジャージに着替え、ランニングシューズを履き、家を出る。
空は暗い。冷たい空気が頬を刺す。
AM5:00
くだらない結果の出ないアルコール漬けの日々による浮腫みなのか、脂肪なのか、動きの鈍いカラダに怒りを覚え、その怒りのエネルギーを走るモチベーションへと切り替えて行く。
あっという間に息があがる。引き返し、歩いて帰るならまだ間に合う、そんな誘惑に首を振る。息を大きく吸って肺に満たして徐々に呼吸のリズムを整えていく。
以前行った事のある高台の公園に目標を定める。あの頃の自分に勝てるだろうか…
走らなくなったのは仕事が忙しくなったからなのだろうか?出張も初めの頃は、荷物にランニングシューズやウエアを忍ばせていたが、接待や詰め込み過ぎの業務に追われ、無用の長物となってやがて荷物から姿を消した。
今思えば、走ろうとするならばいつだって走れたはずなのだ。萎えたのはカラダだけではなくココロもなのかもしれない。
カラダが燃料を欲しがり始める。
同僚の愚痴や悪口、進展しない会議、理不尽な叱責、すれ違う家族への想い、苛立ちからの口論、八つ当たりのクレーム、夜の電車のガラスに映る陰鬱な顔…
燃やし尽くしてやる。
走る速度を上げる。
空が明るくなりはじめる。
落ち葉がサクサクと音をたてる。
見上げた樹の葉が朝日を受け真っ赤に燃えている。