夢で会いましょう
アリーバはオレが巨大なUFOを見てから頭の中に話しかけてくるようになった宇宙の存在。今日も夢の中で話しかけてきた。
「お久しぶりです。何をされてるんです?」
「あ、アリーバ!久しぶり!空飛ぶのはだいぶ上達したんだけど、同じ場所に空中でじっとしてるのが結構難しくて…。なんかコツあるの?」
「空間を信用してないからじゃないでしょうか?展望台から遠くの景色を見るような感じで、鼻から大きく息を吸ってリラックスして…。」
「なるほど、やってみる」
鼻から大きく息を吸って、遠くの景色を眺めた。
切り立った山を背になだらかに続く広大な野原。木々が茂る森の先に広がるキラキラ光る海が見える。
空を飛ぶことに夢中になってて景色に気づかなかった。
「綺麗だな。アリーバ、これ、本当に夢の中かな。最近、夢がどんどん密度を増す感じがするんだよ。ただ、現実のように人とのコミュニケーションがないけど。」
「宇宙的に言えば、夢も現実もありません。むしろ、夢の方が宇宙的に現実的です。新次元というか…。コミュニケーションにしても、実際、あなた様は今、わたくしとお話ししていますよ。」
「あ、そうだね。」
「実はここは新しく生まれ変わった地球かもしれませんよ。争いの無い、平和で豊かな世界。これから多くの方々がこの地に訪れることでしょう。おや、大丈夫みたいですね」
「本当だ。おっと」
意識が体に向くとたちまちバランスを崩す。
「すぐ慣れますよ。空間を信用して。」
「アリーバ、ありがとね!気分転換に海まで行ってくるよ」
頬に当たる風が心地いい。
新しい地球、かぁ