接点
今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
いつも行く市民プールでバカみたいにガムシャラに泳いでいた。
ホイッスルが鳴り休憩時間。
採暖室でヘロヘロになりながら横になっていると大学生らしき双子?の兄弟が話しかけてきた。
兄?「ヤバいオーラ出しまくってましたね」
弟?「マジ、感動っす!」
オレ「…おんなじ顔してるね?双子ちゃん?」
兄弟「(口を揃えて)いえ、三つ子です!」
兄?「もう一人居るんすけど膝の皿骨折してて」
弟?「今の泳ぎ見せたかったっす」
兄?「かなりメンタルやられてて」
弟?「さっきの泳ぎっぷり見たら絶対モチベ上がったんじゃないかと思います」
オレ「あんな下手クソな泳ぎで?」
2人は同じタイミングで反応する。顔を見合わせ笑いながら「はい!」と答えた。
オレはあと1人の三つ子の奴を多分知ってる。
いつも行くスポーツクラブでびっこ引きながらトレーニングしてる奴だ。
兄?「俺たち、トライアスロンやってるんです!」
弟?「今年はコロナの影響で片っ端から中止ですけど」
髪型は違えど同じ背格好で確信した。
オレ「キミたちの兄弟、オレ知ってるよ!○○スポーツクラブ通ってない?」
兄弟「えー!知ってるんですか?」
オレ「オレ、今日、アイツがバカみたいにガムシャラな姿をみて、熱くなって泳ぎにきたんだよ。アイツなら大丈夫だよ。必死に頑張ってる。オマエらも負けんじゃねーぞ!」
同時に泣きそうな顔になる兄弟
そして同時に「はい!!」と返事をした。
休憩時間の終わりを告げるホイッスルが鳴る。
気付けばプールはジジババだらけだ。
健康は自分の為だけではない。
家族を安心させる為でもあるんだと思う。
そう思ったら胸が熱くなった。
今度、スポーツクラブでアイツに会ったら声かけてみよう。
「ヤバいオーラ、出しまくってるね!」
さあて、もうひと泳ぎするか
自分も感動するぐらいバカみたいにガムシャラに…