ジェラシー
知人がスゲー美人と結婚する。
メラメラと燃え上がる嫉妬心。
そもそも彼は地方都市の資産家の御曹司。
外車を乗り回し高級腕時計をいくつも持ってマンションの最上階に新居を構える。
このメラメラとした気持ち、どうしたものか…
このタイミングでアリーバ(宇宙人。座敷わらし的な)が頭の中に話しかけてきた。
アリーバ「こんにちは!」
最初の頃はアリーバが何を言ってるのかわからなかったが、最近は随分わかるようになった。
てか、今は夜だから「こんばんは」ね
俺「どうしたらこの嫉妬心は消えるんだ?」
アリーバ「消すなんて、もったいないです。それはあなたにエナジーのありかを教えてくれる大切なサインなんですよ」
俺「意味わかんないんですけど…」
アリーバ「でも逆に彼だってあなたにジェラシーを感じる事が沢山あるみたいです。」
俺「はぁ?」
アリーバ「まず背の高さ、あなたの方が3センチ高いこと。」
俺「たった3センチじゃない?」
アリーバ「そこです!彼にとっては今のあなたと同じくらいのメラメラを感じるんですよ」
俺「そうなの?」
アリーバ「あと飲み会とかで普段タバコを吸わないあなたが他人のタバコをもらって火をつける仕草とか、メチャメチャメラメラしてますね」
俺「そうなの?」
アリーバ「私だってあなたにジェラシー感じることがいっぱいあります。あなたというかあなたの身の回りで起こることに…。例えばあなたが朝のランニングから帰って来た時のシャツから湧き上がる湯気にジェラシーを感じます。まだまだあります。あなたの爪を切る爪切り、あなたのために勝手に開くコンビニの自動ドア、お風呂上がりに使う黒い綿棒の黒い色、あなたがいつも履いてる靴の裏のガム、ちょっと怒ってるように見える免許証の顔、家の鍵のキーホルダーのVの文字、あなたがカラオケで歌う時の声帯の限界点、ちゃんと割れなかった割り箸、あなたが飲み残したマックのコーヒー、あなたの肩の注射の跡、………」
なんだこれ?
やっぱり、アリーバが何を言ってるのかわからない。
まだ、アリーバは喋り続けてる。
てか、ジェラシー消えちゃったよ
#ヒーリング